じんわり復活!和紅茶ブームを探る。
ここ数年、国内生産の和紅茶が注目されています。
こんご、一つのジャンルとして定着するのでしょうか。
日本での紅茶生産の歩みを紹介すると共に、
昨年神戸で行われた「第3回和紅茶の祭典2018」をレポートしました。
明治時代に始まった和紅茶の生産
和紅茶の歴史は明治時代に遡ります。明治政府の大久保利通が、欧米視察の際に欧州で紅茶を知り、将来の需要拡大を見越して、明治7年(1874)に紅茶の栽培・製法・研究をまとめた「紅茶製法書」を作成。輸出品として生産を推奨しました。最初は中国からお茶師を招いて指導を受けますが、上手くいかず、政府は元・徳川の幕臣でお茶の栽培を手がけていた多田元吉を抜擢。当時、アッサム種の茶樹が見つかり、新しい製造技術が確立されていたインドへの視察を命じました。多田は紅茶づくりのノウハウを日本へ持ち帰り、明治14年(1881)にようやく国策としての生産が開始されたのです。 紅茶は生糸と並んで外貨獲得に寄与しましたが、戦後は安くて品質の良い輸入物に押され、昭和46年(1971)には紅茶の輸入自由化により海外での競争力を失い、国内ではほとんど生産されなくなったのです。