ニュースーカテゴリー
- カテゴリーなし
矢野園茶師が語る 『まだまだ勉強途中』
(07/15)
第3回
株式会社矢野園
製造部主任・上野義次(29歳)
若手主任、
名人に聞きました。
■この業界に入ったきっかけは?
学生時代に一度、矢野園でアルバイトをさせていただいたことがあります。学校卒業後は自動車部品の製造をしていました。こちらに来させていただいたのは、矢野園の社長宅の隣りに私の家がありまして、社長から声をかけていただいたのがきっかけです。
■修業時代に教わったことは?
私自身、入社して2年を少し過ぎたところです。どの社員でも最初の担当は配達なんです。借りている冷蔵庫への入出庫業務をし、その後、小売店さんを回って、少しずつお茶のことを勉強していったという感じです。
工場に入ったのは去年の4月からで、仕上げ、火入れをおぼえさせてもらっています。仕上げや火入れのデータは毎日記録しているのですが、先輩から「記録どおりにしただけでは、ええお茶はでけへん。その日その日の天候気温で火入れの仕方は変わってくる」と教わりました。データより、勘に頼るところが大きいので、経験の浅い自分としては、自分の判断だけでなく、先輩方に確かめてもらって火入れなりをしています。
やっぱり前の会社で作ってきた自動車部品と違い、お茶は食品ですから扱い方ひとつで何もかもが変わってしまいます。
■仕事の上で一番難しい点は?
粗茶をタンクに投入し、仕入れにかけていくわけですが、その際に骨(茎)と実、葉塵の部分に分けます。やっぱり白い骨が入っていると見栄えも悪いですからね。
識別はセンサーで行います。感度を上げるほどきれいに仕上がるのですが、取り除いた骨の中に緑が混ざる割合も高くなって、結果的に取り直しになる。そうなると時間もロスしてしまいます。ですから、投入前に粗茶を見て、骨が多いか少ないかを判断し、識別の感度を調整するようにしています。その見極めが難しい。自分としては一番慎重に作業していることなので、難しくはあるけれど、少しは自信がついてきた部分かなと思います。
■後輩に対して一言。
まだ、後輩もそんなに多くありませんが(笑)、やっぱり、整理整頓をつねに心がけるということ。それと、だれでもミスや失敗はあると思いますが、それを少しでも減らすために、一つ一つの作業をいかに落ち着いて、ていねいにしていくかということですね。油断していたら事故につながります。機械を動かすときにも、声を掛け合って動かすということが大事だなと思います。
■上野さんから見た矢野園とは?
社員一人ひとりに持ち場があって、それぞれ段取りよくいけば予定通りに終わるのですが、どこかでトラブルがあり、作業が遅れそうになったと、そんな場合でもみんなで助けるというところがありますね。コミュニケーションがよくとれていて、困っている人間がいればだれかがすぐにサポートします。そういう助け合いの精神が矢野園にはあると思います。
■これからの抱負は?
私もまだまだ勉強不足なので、これからもっと勉強して、お客様に喜んでいただけるお茶作りに徹していきたいと思います。工場でも自分が先頭に立つんやと、それくらいの気持ちで頑張って努力していきたいというのが抱負です。
■一番美味しいと思う一服は?
仕事が終わった後に飲むお茶が美味しいですね。今日一日が終わったということが実感できますし、気分がホッとなります。
※上野義次が作業をしている『仕上茶の製造工程』については、こちらをご覧下さい。http://uji-yanoen.com/?page_id=13
お茶との相性がいい洋菓子
(06/01) お茶に合うスィーツは和菓子だけではありません。
繊細ですっきりとした味わいの日本茶には、
フードの味をより引き立てる働きがあるといわれ、
洋菓子やアイスなどと合わせるとひと味違った甘い世界が広がります。
【マカロン】
マカロンの歴史は古く、1930年にパリの洋菓子店で考案されました。メレンゲ、砂糖、アーモンドプードルを混ぜ合わせて焼いた2枚の生地にクリームなどをサンドした濃厚なお菓子です。その生地に抹茶や小豆など和素材が使われたものであれば、抹茶・玉露・煎茶に合います。
【生チョコ】
チョコレート生地に生クリームや洋酒を練り込み、ソフトな食感に仕上げた生チョコ。合わせやすい日本茶は、濃厚な甘さに負けない濃い目のお茶がおすすめ。クリーミーで苦みのある甘さには、抹茶、玉露、煎茶などのコクのある上級茶にマッチします。
【ギモーブ】
ギモーブはフランス語。マシュマロの名でおなじみのお菓子です。香料でなく、果汁を使った優しい味のギモーブなら日本茶に合います。柔らかな口当たりと穏やかな香りを損なうことのない、香り高いお茶がベスト。煎茶や玉露がよく、特に香りのいい宇治茶はおすすめです。
【プリン】
カスタードプリンは、フランスで生まれた冷菓。なめらかな口当たりは、まろやかな味の玉露にぴったり。一煎目は玉露だけを味わい、二煎目以降はプリンと合わせてみては?コクのある焼きプリンは、玉露や煎茶の製造過程で生まれる濃厚でキレのある芽茶とマッチします。
【フルーツポンチ】
たっぷりのフレッシュフルーツと寒天が入ったフルーツポンチ。甘さスッキリの夏のデザートには、爽やかな冷煎茶との組み合わせがぴったり。水出し煎茶や普通蒸し煎茶を、一晩じっくり冷蔵庫で水出しするとよいでしょう。寒天の透明感ともマッチし、涼しさもアップ!
【抹茶アイス】
アイスの冷たさで麻痺した舌の感覚をリセットするには、温かいお茶を飲むと良いでしょう。アイスのおいしい一口が最後まで楽しめます。アイスの種類にもよりますが、抹茶アイスには意外にもほうじ茶がマッチ。全く異なる風味を合わせると、思いがけない味に出合えます。
【クッキー】
サクッとした食感のクッキーには、香ばしい香りのほうじ茶や番茶が合います。中でも京番茶はやかんや土瓶などで煮出して飲むと、スモーキーな味わいがあり、クッキーを食べたあとの口の中の余分な脂分をスッキリと洗い流してくれるため、相性抜群のお茶といえます。
【チーズケーキ】
ベイクド、スフレ、レアの3タイプがあります。どれもチーズの酸味が利いた上品な甘さで、茎茶と好相性です。煎茶や玉露などの茎の部分を使っており、その形状から棒茶といわれ、甘味と香りの残る洗練された味がチーズの酸味とあいまって、後味もふくよかです。
(参考資料 山上昌弘著『知識ゼロからの日本茶入門』、鳥越美希著『暮らしの歳時記 お茶と和菓子の十二ヵ月』)
茶どころインタビュー『京都府相楽郡和束町・吉田さん』
(05/20)
和束町 生産家 吉田豊さん
京都府下最大の茶どころ・和束町は比較的若い生産家さんが多く、
独自の栽培法や製茶法の研究にも熱心です。
今回ご登場いただいた吉田豊さんも機械揉みのかたわら、
手揉みの良さを探究し、
自分なりのお茶を作っていきたいとお考えのようです。
新茶の時期が近づく4月、茶園の前でお話をお聞きしました。
■喜びと辛さが重なる新茶の時期
防霜ファンが整備された北向き斜面に、約7反の茶園を所有されている吉田豊さん。手入れの行き届いた茶園で栽培されているのは煎茶の代表品種「やぶきた」のほか、「おくみどり」「めいりょく」といった個性派の品種です。
「お茶をやり始めて10年。今年が一番早い時期に摘採できるかなと思ったのですが、先日、積もるほどの雪が降った影響で、摘採のタイミングも少しずれそうです。たぶん今年も去年並みの時期になりそうですね」。
今年のお茶の出来具合は、と尋ねてみると「分かるのはもう少し先。摘採の10日ほど前、葉っぱが2枚ついた時点で、葉の色を見るとどれだけ肥料がのっているかがわかります。とは言え、刈るときの気候で出来は変わってきます。刈ろうと思っている日の前の晩が冷え込んでしまうと、木は養分を下ろしてしまうのです。こんなに寒いなら芽に養分を送っている場合じゃないと判断するのでしょう。そうなると新芽自体の品質はあまりよくないことになります」。
どの収穫物も気候に大きく影響されますが、茶木ほどにデリケートな植物はないのかもしれません。
例年なら4月下旬、一番茶の摘採は朝の7時半からスタートし、5人がかりで行います。先行の2人が覆いを外し、後の2人が摘採機を操作。最後の1人が収葉袋を持ちます。刈るのは斜面の下側からで、重くなった収葉袋が新芽にかぶさるなどして折れるのを防ぐためです。
その間、吉田さん自身は自分の製茶工場で待機し、搬入後の作業の準備を行います。
「工場へ生葉が最後に入るのが午後5時半くらい。順番に処理し、蒸しの機械に入れるのは最終7時頃です。そこから葉振るい、揉み、乾燥までの全工程を通すのに5時間はかかります。父の代では茶摘みの10日間ほど、午前2時までの作業というのが普通でしたが、ぼくの代になり、どうにか0時までに終わろうということを目標にしています」。
生産家さんにとって新茶の時期は一番の喜びのときでもあり、最も過酷な時期でもあるのです。
■手揉みの可能性を追究したい
吉田さんがお茶の栽培に携わったのは10年前です。以前は大手ハウスメーカーの住宅展示場で6年ほど営業のお仕事をされていました。
「サラリーマンであかんかったら、家に帰ればしまいやと思っていて、気楽にやっていました(笑)。和束に帰ってきた一番の理由は父が病気になったからです。長男であり、代々続いてきた茶園は放っておけないとの思いがありました。会社勤めと大きく違うのは、すべての責任が自分にあるということです。たとえば、葉っぱが変だったとき、病気か否かをすぐに判断できる知識が必要になります。何か分からないけれど、とりあえず農薬を撒いておこうというのではお金もかかるし、今の風潮からは許されませんしね」。
幼いときから茶園の手伝いをされていたとはいえ、管理する側になると苦労は異なります。吉田さんの場合も自分で判断できないことは親や同業の仲間、先輩に尋ね、本を読んでさまざまな知識を身につけられたそうです。
そんな吉田さんの現在の関心は「揉み」の工程です。機械任せにせず、手揉みにすればお茶はどう変わるのか。
「今はコンピュータ管理で、茶葉を入れたら機械が自動的に揉みます。失敗はないけれど同じものばかりができます。茶葉を揉んで得るものは何もないんです。香りも抜けます。だけど、機械ではなく、人がこんな揉み方をすればどうなるか。香りに違いが出るのかどうかが分かってくれば、私たち生産家の仕事はもっと面白くなると思うのです。全部手揉みにするのは体力的に無理がありますが、一部を手揉みにし、それによって自分なりのお茶を作っていきたいなというのが今の抱負です」。
生葉はさまざまな人の手を伝ってお茶に仕上がります。しかし、品質の根本は生産家さんが支えます。生葉を前に生産家さんがどれほどの探求心を持つか。それが今後の宇治茶の将来にもつながっているように思いました。
※写真説明1:「今年も美味しい新茶をお届けします」と吉田豊さん
2:防霜ファンが守る茶園
COOK 2
(05/06) シリーズ ~COOK2~
梅干と鰹のたたき茶漬け
もうすぐ旬を迎える初鰹のたたき。 これを酒と醤油に漬けて梅茶漬けに。
[用意するもの]
●煎茶または玄米茶
●ご飯150g(1人前)
●鰹のたたき(3切れ)
●醤油(適量)
●料理酒(小さじ1杯)
●一味または七味とうがらし(少量)
●青ねぎ(少量)
●梅干(1粒)
[作り方]
① 適量の醤油に小さじ1杯の料理酒を加えます。
② 酒醤油に一味または七味とうがらしを軽くふりかけます。
③ 鰹のたたきを酒醤油に漬け、その間に青ねぎをきざんでおきます。
④ 漬かった鰹のたたきをご飯の上にのせます。
⑤ その上に青ねぎと梅干をのせ、お茶をかければ完成です。
※梅干はくずしておくと、よりおいしくいただけます。
青ねぎで鰹の臭みが消え、梅の風味も爽やかです。
梅と鰹のコラボレーションをぜひ。
エッセイ『お茶がもたらす珠玉の一滴』
(04/15) シリーズ ~お茶のある風景2~
『お茶がもたらす珠玉の一滴』
私の朝は1杯のお茶から始まる。お茶を神棚と両親の霊前に供え、礼拝を済ませた後に自分も熱いお茶を飲む。ただこれだけのことなのにとても清々しい気持ちになる。
けれども、昔の私は仕事で忙しい日々が続き、毎朝ゆっくりとお茶を飲んだという記憶があまりない。それがここ数年は景気の低迷のせいか、お茶をじっくりと味わえる時間が持てるようになったのである。不況にも時には良い効用があるようだ。
忙しかった頃はお茶を淹れることを煩わしく思ったものだが、そんな自分が今ではとても恥ずかしい。お茶は健康にいいだけでなく、生活にうるおいを与えてくれる。お茶の香り・旨み・さわやかな色には人の心を癒す不思議な力があるし、お茶を淹れること自体にも深い意味があると思う。
急須でお茶を飲むには、お湯を沸かし、湯冷ましをかけ、茶葉から旨みが出るのを待つなど、少しばかりの手間がいる。だからこそ、気持ちに余裕が必要だ。心を込めて丁寧に淹れたお茶には、私たちを「なごみ」や「やすらぎ」といったもので包んでくれるオーラのようなものがある。
もしも、時間をさかのぼって、あの頃に戻れるならば、「忙中閑あり」ではないけれど、忙しい中にも時間をつくり、お茶を楽しむ心のゆとりを持ちたかった。1杯のお茶をじっくりと淹れて、ゆったりとした時間の中で自分という人間を見つめながら味わう。そんな時間の過ごし方が出来ていたら、私の人生や物事に対する考え方も随分と違っていたことだろう。しかし、気づいたときが出発点だ。これからは少し冒険をして、毎日使う茶葉や茶器にもこだわってみたい。小さな贅沢を楽しむうちに大切な何かを発見できたならば、これほど大きな幸せはないのだから。
お茶の時間がもたらす、豊な人生のための珠玉の一滴を探したいと思う。
茶どころインタビュー『京都府相楽郡和束町・西山さん』
(04/01)
和束町白栖共同製茶組合 西山 勝行 組合長
和束町白栖で香り高い宇治煎茶を
共同で生産しておられる
共同製茶組合長が西山勝行さんです
生産家としてのこだわりや苦労、抱負などについて
語っていただきました
■京都府相楽郡和束町
和束町は鷲峰山を挟み、宇治田原町の南側に接する町です。京都屈指の茶どころであり、鎌倉時代、慈心上人が鷲峰山でお茶の栽培を始めたのがルーツとされています。とくに香り高い煎茶が有名で、現在は宇治煎茶生産量の約4割を占めています。また、碾茶は日本で1、2を競う生産量です。
■土と霧と人の技が育む煎茶の旨み
製茶の機械を共同購入し、運営しているのが和束町白栖共同製茶組合です。平成5年度の設立で、蒸しから乾燥まで、コンピュータ制御で行われるFA型工場を保有しています。
「正組合員5名、準組合員15名としてスタートしました。これくらいの規模の工場を造るには、組合全体で20haの茶園を有していることが条件だったのです。しかし、生産者の高齢化もあり、15年が過ぎた現在は正・準合わせて15名の組合になっています」。
組合員は自園を持ち、摘んだ茶葉はこの工場で荒茶に加工して袋詰めされ、矢野園をはじめとする問屋に運ばれます。
和束町の茶園は山の合間にあり、煎茶を中心に、玉露、かぶせ茶、碾茶、番茶などが生産されています。とりわけ煎茶の香り、味わいは全国的に有名。それを表すように荒茶の平均単価もキロ当たり例年4,000円弱と、かなりの高値が付けられています。
「川が流れる盆地であること、霧が立ちやすいこと、寒暖差の激しい気候であることなどが美味しいお茶のできる条件とされています。和束もまさにそのとおり。春には和束川から霧が立ち、お茶の旨みをじっくりと育んでいるのではないでしょうか。土も日本では珍しく、少し移動したら地質が異なっています。水はけの良さはもちろん、こうした地質の変化もお茶の旨みに関係しているのかもしれません」。
■自然の循環を大切にするエコファーム
正組合員6名のうち、西山さんを含む3名が「エコファーマー」に認定されています。エコファーマーとは農林水産省が平成11年に制定した制度で、この地域ではNPO法人「わづか有機栽培茶業研究会」が中心になってエコファームに取り組んでいます。
「基本は土作りです。即効性ではなく、肥効調節型肥料をどう計画的に使うかが問われます。お茶の旨みを増すには有機質肥料を多くし、アミノ酸を増やすことが第一ですが、和束では以前から有機質肥料を使っていて、それほど難しいハードルではありませんでした。ただ、消毒が頻繁にできないという点では少し苦労しました」。
茶樹に集まる害虫がいて、その害虫の天敵もいます。天敵まで駆除すれば、生態系のバランスが崩れてしまいます。
日本では無農薬イコール安全というイメージがありますが、化学農薬、化学肥料は人体に害を及ぼさない基準を農水省が設定しています。ですから、必ずしもイコールではないというのが西山さんの考えです。これを遵守するため、京都の生産家は5、6年前から率先して、どのような薬剤、肥料を何回使ったかを記録し、二次加工の問屋に申告するといった取り決めが約束ごとになっています。
■あらゆる自然がお茶の味わいに関係
「毎年同じ場所で、同じ肥料を与えていても、一度として同じ味わいのものができません。それがお茶作りの難しさです。気候や土、水などさまざまな要素が絡んできます。工業製品なら同じ規格のものを作るのも容易なんでしょうが、農業にそれはありません。だから苦労もしますし、逆に予想外の喜びもあります。いずれにせよ、宇治煎茶の4割を和束が担っているという誇りは強く感じています」。
最後にこれからの抱負をお聞きしました。
「これは私個人の抱負ですが、息子が農業を継いで3年目になります。和束の茶作りのいろんなノウハウを教え、茶園の規模ももう少し広げていけたらと考えています」。
800年以上の歴史をもつ和束茶。その風土や先人の工夫が若い世代に受け継がれていく。農業と宇治茶の発展において、大いに期待したいことです。
※写真説明
1:組合長でありエコファーマーの西山勝行さん
2:オートメーション化された工場内和束町白栖共同製茶組合の製茶工場
3:急な斜面で栽培される和束のお茶
お茶と相性がいいお漬物
(03/19) お茶にとって好相性のお漬物。
基本的には番茶やほうじ茶がよく合いますが、
意外なお茶との絶妙な組み合わせも見逃せません。
ふるさとが生んだお漬物を新しいお茶請けとして見直してみてもいいですね。
【白菜の浅漬け】
白菜、粗塩、昆布、赤唐辛子があれば、簡単に作れるお漬物。サラダ感覚でサッパリと食べられるため、クセのないお茶との組み合わせがベスト。軽い煎茶や番茶がよく、キュウリやナスなどのぬか漬けにもマッチします
【いぶりがっこ】
秋田のお漬物。囲炉裏の上でダイコンを干したあと、たくあん漬けにしたもの。現在では燻製室で乾燥しますが、木の香特有の風味が楽しめます。焙煎香のある、ほうじ茶、京番茶、釜炒り茶でどうぞ。日光のたまり漬けにも、このお茶が合います。
【野沢菜漬け】
長野の野沢温泉村を発祥とする信州の名物。地元では晩秋になると大樽に野沢菜を塩漬けする風景が見られます。あっさりとした風味は、さっぱり系のお茶がぴったり。軽めの煎茶や番茶がおすすめ。京都の壬生菜漬けも、このお茶で味わいましょう。
【奈良漬け】
平城京の昔より大宮人が食したと伝わるお漬物。白ウリ、キュウリ、スイカ、ダイコンなどを塩漬けし、何度も新しい酒粕に漬け替えて仕上げます。ほのかな酒の香りと個性的な味わいは、ほうじ茶、京番茶、釜炒り茶にマッチ。また、碁石茶との相性抜群です。
【しば漬け】
京都・大原の里の名産で、ナス、キュウリ、ミョウガの薄切りに赤ジソを加えたもの。その強い刺激を中和するのが、渋みが少なく、甘みのある、茎ほうじ茶、釜炒り茶です。これらのお茶は、梅干しやすぐき漬けと組み合わせても好相性。
【福神漬け】
明治初期、東京・上野池の端の茶店で出されたのが評判となって全国に広まりました。醤油・砂糖・みりんの調味液で漬け込んだ刻み野菜は独特の甘みで、渋みのあるお茶が合います。おすすめは煎茶や茎茶で、甘酢漬けにもぴったり。
【べったら漬け】
江戸時代から伝わる東京特産のお漬物。ダイコンを米麹とお砂糖で漬け込んだもので、甘酸っぱい麹とカリカリとした食感に特徴があります。日本茶では同じように米の風味を持つ玄米茶との相性が良く、やみつきになる組み合わせです。
【千枚漬け】
京都の冬のお漬物で、幕末に御所の料理人が考案。聖護院蕪を薄く切ることを千枚にするといいますが、その薄切りのカブを塩漬けした後、昆布・みりん・砂糖で漬け込んだもの。渋みのあるお茶がよく合い、煎茶、茎茶、玄米茶がおすすめ。
(参考資料 山上昌弘著 「知識ゼロからの日本茶入門」)